[TOP]

「星が流れない」露出時間

星は地球の自転の影響のため動いているように見える(日周運動)。
長時間露出で撮影をすると星が「点」で写らず「線」になってしまうことがある。
では何秒までなら星が流れないか。
が、時間だけに依存するわけではなくではなく以外とややこしい。

まずカメラの焦点距離のにより変化する。
通常目いっぱい広角側(ワイド端)で撮影するがカメラによりワイド端は異なる
(35mmフィルム換算○○mmとある表記。この数字が小さいほど広く写る)。
広角なものほど倍率が低いため見かけ上の移動量は小さくなる。
逆にズームをすると見かけ上の移動量は大きくなる。

北極星を中心に回転しているように見えるため、北極星付近では移動量は少なく、
天の赤道付近でもっとも移動量が大きくなる。
天の赤道に近い「黄道12星座」を撮ろうと思うと短時間でも星が流れやすいと言える。

8秒 15秒 30秒 60秒
ISO感度800 8秒 EOS Kiss DN ISO感度800 8秒 EOS Kiss DN ISO感度800 8秒 EOS Kiss DN ISO感度800 8秒 EOS Kiss DN
CANON EOS Kiss Digital N
焦点距離 28mm×1.6×0.5(ワイドコンバージョンレンズ使用)=22.4mm(35mm判換算)
さそり座近辺、東の方角を撮影(日周運動大)。コンデジでは露出時間が自由に設定できないため一眼レフを使用。
できるだけ広角にするため0.5倍のワイドコンバージョンレンズを使用。
ワイドコンバージョンレンズの影響により周辺の像は歪んで流れ気味になっているが
これは日周運動とは無関係である。

15秒・拡大 30秒・拡大
ISO感度800 15秒 EOS Kiss DN ISO感度800 30秒 EOS Kiss DN

結果

15秒では(中心付近は)問題なく点像で写っている。
30秒では点像で写っているように見えるが拡大してみると少し伸びている。
60秒では明らかに線像になっている。

考察

まずカメラの焦点距離や撮影方位により異なるが、ワイド端であれば15秒程度までなら星が流れずに撮れる。
30秒程度まで実写して許容範囲であるかを確かめたほうが良い。

星が流れない時間の目安

28mm(コンデジ等)24秒
35mm(コンデジ等)19.2秒
44.8mm(APS-C規格一眼レフ+28mmレンズ)15秒
56mm(APS-C規格一眼レフ+35mmレンズ)12秒
80mm(APS-C規格一眼レフ+50mmレンズ)8.4秒
112mm(APS-C規格一眼レフ+70mmレンズ)6秒
320mm(APS-C規格一眼レフ+200mmレンズ)2.1秒
480mm(APS-C規格一眼レフ+300mmレンズ)1.4秒
※焦点距離45mm・15秒で流れないと仮定して計算した数値
[TOP]

(C)2013- お金を掛けずに天体写真。http://hoshi2.com/ powerd by あるびのデータ