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「バルブ撮影」なしで星の軌跡を写す〜比較明合成〜

11分露出
星が弧を描くような、日周運動の軌跡を撮影した天体写真は通常「バルブ撮影」で数分〜数十分間シャッターを開けたままで撮影する。
「バルブ撮影」とはシャッターボタンを押している時間だけシャッターを開けて長時間露出する方法である。
左写真は11分ほどの露出で撮影したもの。
ただし、コンデジではバブル撮影機能が付いている機種はほとんどない。
バルブ撮影機能があっても撮影時はシャッターを押したままにする必要があるためレリーズ(バルブ撮影用にロック機能があるもの)が必要になり敷居が高い。
「バルブ撮影」なしで星の軌跡を写す方法を紹介する。

合成用写真の準備準備

デジカメで最長のシャッタースピードを選択する。一眼レフカメラのEOS kiss DNで撮影し設定時間は30秒。拡大すると星が流れているのが分かるが
星の流れている姿を写すわけなのでこれで問題ない。
三脚で固定し、ひたすら同じ写真を撮り続ける。シャッターが下りたらすぐにまたシャッターを押すことを繰り返す。
今回は途中で自動車が通りヘッドライトが入っため18枚撮影した時点で終了。

比較明合成の手順

星の軌跡を写す場合は「比較明合成」と言う方法で合成する。
合成する画像の中で比較して、もっとも明るい箇所を抽出して合成するため星の写っている部分のみ連続的に写し出されることになる。
比較明合成専用のフリーソフトがあるが加算合成で使用した「YIMG」でも可能である。
[画像合成]→[画像合成-ポイント指定]→合成画像1〜4で4枚ずつの写真を選択。加算方法は[最大]を選択。ポイントは指定せずそのまま[OK]。
18枚合成するので合成した画像をさらに合成して18枚繋ぎ合わせる。
加算合成のように[画像合成-自動]にしてしまうと星が流れないように自動的にズラして合成してしまうので[画像合成-ポイント指定]を使用する。

結果

30秒露出 30秒露出×18枚
星の軌跡を写した写真を合成できた。
ただし、拡大して見ると星の軌跡の間にわずかに隙間があり点線のように見える。
連続撮影時のメディアへの画像保存のタイムラグが影響していると思われる。
また、シャッタースピードが遅くなると自動的にノイズ除去処理を行う機種があり、その場合はより連続性が失われ軌跡の間の隙間は目立ってくる。
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